
はじめに:エンジニアにとっての「最適解」はどこにあるか
フリーランスエンジニアとして独立を考えた際、または単価アップを模索する際、必ず直面するのが「どこから仕事を取ってくるか」という問題です。一般的に選択肢は「クラウドソーシング」「エージェント」「直営業」の3つに大別されます。
「中抜きのない直営業が一番稼げる」という言説もよく耳にしますが、SES業界やエージェントの実務視点から見ると、それは必ずしも正解ではありません。
結論から申し上げます。エンジニアとしてのスキルアップと高収入を両立させたいのであれば、**「商流の浅いエージェント」**を活用するのが最もコストパフォーマンスが良い選択です。
なぜなら、直営業には見えない「営業コスト」と「回収リスク」が存在し、クラウドソーシングには「単価の構造的な上限」が存在するからです。
本記事では、これら3つのチャネルを、表面的な単価だけでなく、営業工数やリスクを含めた「実質的な利益」の観点から徹底比較します。
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3つの獲得チャネルの定義と特徴
比較に入る前に、それぞれのチャネルの構造的な違いを整理しておきましょう。
クラウドソーシング
「Lancers」や「CrowdWorks」などに代表されるプラットフォームです。案件の多くは「成果物納品(請負)」または「タスク形式」であり、数千円〜数十万円単位のスポット案件が中心です。
- 特徴: 誰でも参入しやすいが、価格競争が起きやすい。
エージェント(SES・フリーランス専門)
「FreelanceBox」のようなエージェントサービスです。企業とエンジニアの間に立ち、主に「準委任契約」で月額単価(人月単価)ベースの案件を紹介します。
- 特徴: 営業を代行してもらえるため、エンジニアは開発に集中できる。商流の深さによって単価が変動する。
直営業
知人の紹介や、企業の問い合わせフォームへの営業、SNS経由などで、エンドクライアントと直接契約を結ぶ方法です。
- 特徴: マージンはゼロだが、契約交渉・請求・トラブル対応を全て自力で行う必要がある。
【徹底比較】稼げるのはどこか?一覧表で見る実態
以下は、それぞれのチャネルを「単価」「安定性」「営業コスト(手間)」「リスク」で比較したものです。
| 項目 | クラウドソーシング | エージェント | 直営業 |
|---|---|---|---|
| 単価感 | 低〜中<br>(時給2,000〜4,000円目安) | 高<br>(月単価60〜120万円) | 最高<br>(言い値で決まる) |
| 安定性 | 低(単発が中心) | 高(3ヶ月〜長期が基本) | 中(契約終了後の空きリスク大) |
| 営業コスト | 中(提案文作成・コンペ) | 極小(面談のみ) | 特大(開拓・接待・交渉) |
| 事務負担 | 小(PFが代行) | 小(エージェントが代行) | 大(契約書作成・請求管理) |
| 主な契約 | 請負契約 | 準委任契約 | 請負 / 準委任 |
表面単価 vs 実質時給
ここで重要なのが「実質時給」の概念です。
例えば、直営業で月120万円の案件を獲得できたとします。しかし、その契約を取るために月20時間の営業活動をし、契約書チェックや請求業務に月5時間使い、さらに入金遅延の督促を行ったとしたらどうでしょうか?
エンジニアの時間は有限です。「開発以外の時間」が増えるほど、技術キャッチアップの時間は減り、長期的な技術単価は頭打ちになります。
「手離れの良さ」を含めて稼ぎを計算することが、フリーランスで長く生き残るコツです。
なぜ「直営業」はハイリスクなのか
「マージンなし=最強」と思われがちな直営業ですが、実務上は以下のハードルがあります。
1. 与信と口座開設の壁
大手企業や優良ベンチャーほど、個人のフリーランスと直接口座を開く(直接契約する)ことを嫌がります。反社チェックや与信管理のコストがかかるため、「エージェント経由にしてほしい」と言われるケースが多々あります。
直契約できるのは、小規模なクライアントに限られる傾向があります。
2. 回収リスクと契約トラブル
「納品したのに入金されない」「仕様変更が無限に来るが追加費用が出ない」。これらは直営業あるあるです。
エージェントが入っていれば防波堤になってくれますが、直営業では自分で内容証明郵便を送るなどの対応が必要になります。
クラウドソーシングが「低単価」になりやすい構造的理由
クラウドソーシングは「買い叩かれやすい」市場構造になっています。依頼主は「できるだけ安く発注したい」と考えており、発注内容も「LP制作」「バグ修正」などの切り出しタスクが中心です。
構造上、システム全体のアーキテクチャ設計や、コア機能の開発といった高単価(月80万〜100万クラス)の案件は、セキュリティや機密保持の観点からクラウドソーシングには流れてきません。
結果として、「誰でもできる仕事」を「価格競争」で奪い合う構図になりがちです。
エージェント活用のカギは「商流」にあり
消去法ではなく、積極的な理由で「エージェント」が推奨されるのは、「大手・優良企業のコア案件」に「安定して」参画できる唯一のルートだからです。
ただし、注意点があります。**「商流」**です。
- エンド直 / 元請け直(1次請け): 商流が浅い。単価が高く、現場の決定権も強い。
- 3次請け・4次請け: 間に複数の会社が入るため、単価が大幅に下がり(50万円台など)、指示系統も複雑になる。
エージェントを使う際は、「エンド直案件の比率はどれくらいか?」を確認することが必須です。
FreelanceBoxのような「直請け・高単価」にこだわったエージェントを選ぶことで、マージンを払ってもなお、直営業に近い手取りと、クラウドソーシングにはない安定性を両立できます。
まとめ:自分のフェーズに合わせた使い分けを
- 直営業: 経営者視点を持ち、営業も法務も自分でやりたい「事業家」タイプ向け。
- クラウドソーシング: 実績作りの初期段階や、本業の合間の「副業」向け。
- エージェント: 技術力を武器に、安定して高年収(800万〜1500万)を稼ぎ続けたい「プロエンジニア」向け。
もしあなたが、「営業などの雑務はしたくないが、正当な対価は欲しい」と考えるなら、選ぶべきは質の高いエージェント一択です。
まずは現在のスキルセットで、商流の浅い案件ならいくらの値がつくのか、市場価値を確認することから始めてみてください。
よくある質問
Qエージェントを使うと、マージン(手数料)はどれくらい取られますか?
一般的には15%〜30%程度と言われていますが、FreelanceBoxのように商流が浅いエージェントであれば、マージンを考慮しても手取り額が前職より上がるケースが大半です。
Qクラウドソーシングの実績は、フリーランスの職務経歴書に書けますか?
書けますが、タスク形式の細かい実績の羅列は評価されにくい傾向にあります。数ヶ月以上の継続案件や、特定技術を用いた開発実績を中心に記載しましょう。
Q直営業とエージェントを併用しても問題ありませんか?
問題ありません。リスクヘッジとして併用する方は多いです。ただし、エージェント経由で知り合った企業と契約終了後に勝手に直契約する「中抜き行為」は契約違反になるため厳禁です。
Q未経験からフリーランスになる場合、どのルートがおすすめですか?
未経験の場合、いきなりエージェント経由で参画するのは難易度が高いです。まずはクラウドソーシングで実績を作るか、SES企業で実務経験を積んでから独立することを推奨します。
Qインボイス制度への登録は必須ですか?
必須ではありませんが、直営業やエージェント経由の場合、登録していないと消費税分の値引きを求められるか、契約自体が見送られる可能性が高まっています。